マリオのはなしをしよう。 vol.2 及川さん


1.マリオよりルイージ派
2.ソフトを手に取った瞬間電撃が走った
3.「青は最強ですから」
4.vs.全国
5.『スマブラDX』は正直いうと苦手
6.10年ぶりの再会
7.スマブラは「夢の共演」



kikai 及川さんといえば青いカービィですが、
何で青色のカービィを使っていたんですか?

及川 まず、ボク自身青色が好きなんですよ。携帯も青ですし。

kikai 今着ている服も青色ですね(笑

及川 それだけではなくて、ゲームで4色のカービィをコンピュータ同士対戦させたんですよ。 ストック5つにして。そしたら、3回やったんですけど3回とも青いカービィが勝ったんです。
で、”これは青いカービィが強い設定になってるんじゃないか”と思ったんですよ。 それで青使おう!と。

kikai なるほどー。そんな理由が

及川 ゲームを買ってから、ずっとカービィで遊んでいまして。
そしたら友達が、「スペースワールド(※1)ってイベントでスマブラ大会をやるらしいよ」って。 それで友達を5人ぐらい誘って行ったんです。

※1 毎年夏休みに開催されていた任天堂のイベント。及川さんが参加したのは99年。



及川 大会とかって、実は大嫌いなんです。勝負事とか。
なので、スマブラ大会に行ったときも、俺が一番強いんだぞ!みたいな感じではなくて、 自分が一体どこまでできるんだろうなっていう、ちょっとした自分の挑戦だったんです。

kikai なるほどー。
ちなみに、その大会はどれぐらいの参加者がいたんですか?

及川 あとから公式ページ(※2)を見た感じだと、2048人が参加したらしくて。
予選は4人対戦で、1人勝ち抜けというルールでした。

kikai うわっ、すごい人数ですね!
それをどんどん勝ち上がっていったわけですね。

及川 6〜7回勝ってやっと決勝でしたね。
友達はどんどん脱落しちゃったらしくって、どうなったんだろうなぁと思ったら、 自分だけステージに上がって観客席にいる友達を見つけて「あれー!?」って。
当時あまり人前に立ったことがなくて、初めてでしたね。
あのときほど緊張したことはないです。

kikai その気持ち、わかります。

及川 ボク割と緊張症な部分があるんです。当時は特に。
それで、緊張を押し殺すために強キャラでいかなきゃならないって思って自分に暗示をかけたんですよ。
「るろうに剣心」っていう漫画に鵜堂刃衛ってキャラがいて、 刀に自分の目を映して「我、最強也」ってやるんですけど、もうそういうことやらなきゃダメだなって思って(笑

kikai 自信家なセリフはそういう理由だったんですね。

及川 青いカービィを使っていて、そのとき青いシャツも着ていて、青は強い!みたいな暗示を。
そしたら、ステージ上で当時司会を担当していたあさりどさんから 「君はずっと青いカービィを使っているけど、何か思い入れでもあるかな」みたいなことを聞かれました。 ボク緊張でまともに答えられなくて「青は最強ですから」みたいなことを言って。理由になっていないんですけど(笑)。 そういう強気の発言をしていたらあさりどさんが食いついてきましたね。

kikai ははは(笑

及川 準決勝あたりで点数的にヤバイなって思ったんですけど勝ち上がって。 決勝はヤマブキシティで、相手もカービィだったんですよ。1対1で。 それまではタイム制2分だったのですが、決勝戦はストック制2機だったんですね。
この戦いはすごい印象的でして、開始10秒ぐらいでマルマインに吹っ飛ばされて。 相手に1%も与えてない状態で1機減ったんですね。

kikai いきなり大きなハンデが・・・

及川 そこでもう勝てないな、って思って吹っ切れたんですね。ボクの中で気が楽になったんです。
気楽にプレイできて、相手を1機落とすことができたんです。 その時点で自分は100%以上ダメージが貯まっていたのですが、運良くハンマーが出たんです。 でも、ハンマーってカービィのストーンで攻撃を食らっちゃうんですよね。 相手をステージ右にあるヘリポートまで追い詰めたんですけど、案の定相手がストーンで降ってきて。

kikai おおお

及川 それをジャンプで交わして相手にハンマーを当てたんです。

kikai おおおー!

及川 ラストはハンマーに救われましたね。
本来なら負けてましたよ。

kikai それで優勝されたんですね。
なんてアツい展開・・・(※3)

及川 あれは今でも忘れられないです。

※2 http://www.nintendo.co.jp/n10/spacew99/smabra/index.html
※3 上記のページにて、試合内容が克明に書かれています



及川 優勝賞品として、ゲームボーイカラーと金の盾をもらいました。
それが終わって、これで帰れると思ったらスタッフに呼ばれてステージ裏に案内されて、 そこでインタビューをされたんです。 いろいろ聞かれて、雑誌の記者さんなのかな?と思ったのですが話を聞いていたらどうやら違うみたいで。

kikai え?

及川 そしたらインタビューしていた人が「カービィのゲームはやりますか?」って聞いてきたんですね。 で、「ボク実はカービィのゲームってあまりやってなくて」って答えたら、 インタビューしてた人が「実は私、カービィの生みの親なんですよ」ってことを言って 「ええー!?そうなんですか!?」って。「それと、スマブラも作りました」と。

kikai おお

及川 後から知ったんですけど、製作者の桜井さん(※4)だったんですよ。
本人を目の前に知らなかったという恥ずかしい体験をしまして。

kikai ゲーム雑誌とか読んでいないと、あまり知る機会ないですもんね。

及川 スペースワールドって3日間あったんですよ。
スマブラ大会は毎日午前と午後の部があって、計6回あったんです。 ボク以外に5人、全部で6人の名人と呼ばれる人が生まれたんです。

kikai 及川さんは、初日の午前の部優勝ですから、一番最初のチャンピオンだったんですね。

※4 桜井政博さん。カービィやスマブラシリーズの生みの親。有限会社ソラ代表






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